看護師や介護士、工場勤務の仕事などでよく聞く夜勤。
夜勤は体に悪い影響があるのでは?と心配される方も多いのではないでしょうか?
実際に夜勤では生活リズムが乱れることで体に悪い影響が出てきます。現在働いている方で、今は体力があるから夜勤でも大丈夫だと思っていても悪い影響が積み重なって将来病気になってしまうかもしれません。
そこで今回は夜勤で働くリスクと、リスクを回避する対策を解説しています。
夜勤で働いている方も、これから働くことを考えている方も、是非この記事を読んで夜勤で働く際の参考にしてみてください。
夜勤が体に悪い理由
夜勤が体に及ぼす悪影響とは?
- 睡眠障害になる可能性がある
- 病気になるリスクが上がる
- 自律神経が乱れる
夜勤が体に悪いというのは皆さんもなんとなくわかっているかもしれません。しかし、なぜ夜勤が体に悪いかはよく知らないのではないでしょうか。
夜勤が体に悪いといわれる大きな要因としては体内時計が乱れることによってさまざまな健康被害が発生することにあります。ここでは体内時計が乱れることによって体にとってどんな悪影響があるのかを詳しく解説していきます。
睡眠障害になる可能性がある
不眠症や過眠症を含んだ睡眠に関連した多様な病気のことをまとめて睡眠障害と言います。これは夜勤に伴う長時間勤務や生活リズムの乱れによって睡眠の質や量自体が減ることが原因で引き起こされます。
症状としては以下のものが挙げられます。
- 寝つきが悪くなる
- 連続した睡眠がとれなくなる
- 仕事中でも強い眠気に襲われる
こういった症状が引き起こされることで、さらなる寝不足になってしまったり、仕事中や運転中などの集中しなければいけないタイミングにも強い眠気に誘われてしまいます。
最悪の場合には事故を起こしてしまうリスクもあるので睡眠障害を予防する必要があります。
対策として夜勤用の生活リズムに調整することや、夜勤明けはできるだけ日光を浴びずに長時間の睡眠を避けるなど、夜勤でもできるだけ体内時計が乱れないように工夫する必要があります。
病気になるリスクが上がる
夜勤には、先ほど紹介した睡眠障害のほかにも様々な病気のリスクが上がるといわれています。
リスクが上がってしまう病気の例を以下に挙げます。
- 消化器症状(下痢・便秘など)
- 腰痛・肩こり
- ホルモンバランスの乱れ(生理不順など)
- 生活習慣病(糖尿病・肥満など)
- ガン
などなど、夜勤で体内時計が乱れてしまうと多くの病気のリスクが上がります。
自律神経が乱れる
夜勤によって体内時計の乱れや睡眠不足になってしまうと、自律神経が乱れてきてしまいます。
症状としては、体のだるさを感じたり、胸がどきどきするような動悸が発生したりなど、その他にも様々なものがあります。自律神経はあらゆる身体機能のバランスを調節する役割を担っているので、この自律神経が乱れてしまうと体の調子が悪くなってしまうのです。
また感情の起伏がおおきくなってしまうことやイライラすることが多くなるなど、精神的な乱れが症状としてあらわれることがあります。
夜勤が体に与える影響とリスクへの対策
夜勤の体調管理で大切なポイントは「体内時計を整えること」です。
夜勤が睡眠障害を引き起こす可能性があることや病気のリスクを上げてしまうことを解説してきました。ではそのリスクを最小限に抑えるためにどんな対策ができるのでしょうか。
ここでは夜勤をするリスクに対して、どんな対策ができるのかを解説していきます。
生活リズムを一定にする
夜勤で重要なことは、できるだけ体内時計が乱れないようにすることです。
体内時計の乱れを少なくすることで、夜勤によって引き起こされる諸症状をできるだけやわらげる事ができます。そのためには、生活リズムを一定にすることを心掛けるなどして、寝る時間や起きている時間もコントロールする必要があります。
一度体内時計がずれてしまうと睡眠障害の悪循環にはまってしまう可能性があるので対策をする必要があります。
しかし、どうしても寝れないタイミングだったり、無意識のうちに積み重なっていく体内時計のズレが発生します。よって、生活リズムを再度コントロールすることも大切になってきます。
夜勤での働き始めは昼型の生活リズムになっているため夜勤の生活リズムに合わせるのは大変かもしれませんが、同じ生活をしているとだんだんと夜型の生活リズムにも合わせられるようになります。
睡眠の質を上げる
夜勤では寝不足になってしまうことが多くあります。少しでも体を休めるために必要な仮眠時など、眠らなければいけないにも関わらずなかなか寝付けないこともあります。
睡眠時間が減ることによって、自律神経の乱れを引き起こしたり、集中力や注意力が低下してしまいます。そんな場合にもできるだけ睡眠の質を上げることによって睡眠時間が短くても効率よく体を休める事が出来ます。
睡眠の質を上げる方法の例としては以下のものが上げられます。
- 寝る前に体温をさげる
- 寝る前にスマホを見ない
- 寝る90分前に入浴をする
- 寝る前に軽めのストレッチをする
- 寝る3時間前からは食事をとらない
- 寝るタイミングを一定にする
これは一例ですが、世の中では睡眠の質を高めるために様々な方法があります。最初から全ての方法を実践するのは難しいですが、自分にできる事があればぜひやってみてください。
睡眠の質を高めることによって、朝の目覚めが良くなったり、仕事中に眠くなることが少なくなるなどのメリットがあります。
また、いつでも睡眠が出来るような訓練をしておくのもおすすめです。いろいろな方法がありますので自分に合った睡眠術を見つけてみてください。
夜勤のメリット
ここまでは夜勤が体に与える悪い影響とその影響を軽くするための対策を解説していきました。しかし、そんな夜勤にもメリットはあり、人によっては先ほどの悪影響よりもメリットの方が上回ることもあります。
多少の悪影響があってたとしても、メリットが大きければ夜勤の仕事も魅力的といえます。夜勤の主なメリットは以下の2つです。
- 時給が高い
- 日中に用事を片付けられる
ここからは夜勤をすることのメリットについても解説していきます。
時給が高い
夜22時から朝5時までの時間は基本給+25%になっています。この時間の中で働く事が出来れば効率良く稼ぐことができます。
ここまで解説してきた夜勤が体へ与える悪影響などを考えれば、普通の勤務時間帯で働くよりも多い給与がもらえるのも納得してもらえると思います。
体質的に夜勤が得意だという方や、生活リズムを調整するのが得意だという方には日中に働いていると変わらない条件でより多くの稼ぎを得られるのでお得になるはずです。
しかし、夜勤で長期間働くことと病気のリスクには因果関係があるとされているので自分が大丈夫だと思っていても無意識に体の調子を崩している可能性があります。自分では気づけないこともあるので、定期的な健康診断や健康的な生活で自分の体を気遣うことも大切です。
身体に調子が悪くなった場合にはしっかりと休息をとったりするなど一度落ち着いて体を休めるのもいいでしょう。
日中に用事を片付けられる
夜勤は日中が休みになるのでその間に用事を片付ける事が出来ます。日中に働いていると役場や郵便局に行きにくいということがありますが、夜勤で働けばそういった場所にも簡単に行く事が出来ます。また、日中であればどこかに出かける際に混雑を気にしなくて良い点もメリットです。
ただし、あまり長い間遊んでいると次の勤務に支障をきたす可能性があるので時間の管理には気を付けてください。遊んでいる時には興奮状態なので眠くないかも知れませんが、寝不足のままで普段の勤務をこなすと業務中に眠気が強くなったりして集中力が落ちてしまいます。
集中力を落とすと重大なミスに繋がる可能性や帰宅の際に事故を起こしてしまう可能性もあるので、遊んだ後もしっかり仮眠をとるなど体調管理はしっかりする必要があります。
夜勤に向いている人
夜勤に向いている人とは?
- 夜型もしくは昼夜逆転の生活をしている人
- 自分で決めた生活リズムを守れる人
夜勤は体内時計が乱れることによって体に悪い影響が出るということを解説しきましたが、そんな夜勤に向いている人はいるのでしょうか?
ここではどんな人であれば夜勤がしやすいのかを解説していきます。
夜型もしくは昼夜逆転の生活をしている人
日中にしか働いたことが無い人にとっては夜に起きている習慣がないため夜勤の間に眠たくなってしまいます。しかし、夜型の生活リズムをしていてすでに体内時計が夜型になっている方は、夜勤を始めても体の負担を最小減に抑えて夜勤を始める事が出来ます。
長期間にわたって夜勤の生活をすると病気のリスクが上がるのでおすすめできませんが、夜勤を始める為のハードルが低いという点で向いていると言えるでしょう。
自分で決めた生活リズムを守れる人
夜勤を長く続けるには生活リズムを一定にすることが大切なので、その生活リズムを守れる人が夜勤には向いています。
生活リズムを守らないまま夜勤を続けると睡眠障害になってしまったり寝不足で注意力がなくなってしまいミスが多くなってしまうことが考えられます。夜勤明けに注意力の無い状態で車を運転する人などは事故を起こす恐れもあるので、生活リズムを守って睡眠を十分にとることは大切なのです。
何より生活リズムを守らずいると体内時計が乱れてしまい病気のリスクが上がってしまうなど、自分の体に悪い影響を与えてしまうので注意が必要です。
自覚症状のないまま体に悪い生活を続けていると忘れたころに影響が出てきてしまうこともあるので、いまは若くて大丈夫だという人も健康診断に行ったり、できるだけ健康的な生活を送るのが良いでしょう。
まとめ 夜勤は体に悪い?!夜勤が体に与える影響とリスクについて

今回は夜勤で働く際のリスクと対策を解説しました。
夜勤では体内時計が乱れることによって病気のリスクが上がったり、自律神経の乱れによってホルモンバランスの乱れやイライラしてしまうなど精神的にも悪い影響をもたらすことがわかっていただけたのではないでしょうか。
夜勤で体への悪い影響を抑えるためにできる事は生活リズムをできるだけ一定にして、体内時計を乱さないことが重要でした。また、短い睡眠でも体を休めるために睡眠の質を上げるのも有効です。
夜勤をすると深夜手当によって給料が高くなっているので効率よく稼ぎたい方や、元々夜型の生活をしている方にとっては良い働き方です。しかし健康には悪い働き方だということが言えるので働く場合にはその悪影響を最小限に抑えるために十分な対策と準備をしてみてください。
今回の記事を見て、皆様ができるだけ健康的に夜勤が出来れば嬉しいです。