現在、求職活動をされている方は求職者給付を受け取ることができます。求職者給付は求職活動を安定させるための給付金です。
しかし、求職者給付を受け取るためにはハンコを提出して、求職活動をしたという証明をしなければいけません。さらに、ハンコがもらえる求職活動は限られています。
では、どの求職活動をするとハンコがもらえるでしょうか。
本記事では、求職活動と認められるものやハンコについて詳しく解説します。
>>ハローワークについては「ハローワークとは?受けられるサービスや着ていく服装についてもご紹介」でも詳細を解説しています。ハローワークについて、詳細を知りたい方はぜひこちらの記事もチェックしてみてください。
求職者給付を受けるにはハンコが必要

求職者給付を受けるためにはハンコが必要です。ハンコは、求職活動をしたという証明になります。
しかし、ハンコをもらうためには求職活動をしなければいけません。
そもそも求職者給付とは?
求職者はハローワークでハンコをもらうことで求職者給付を受け取れるとご説明しました。では、そもそも求職者給付とは何なのでしょうか。
結論を述べると、求職者給付は失業したり雇用の継続が困難になった労働者に給付されるものです。
求職者給付は失業等給付に属しており、求職者給付の他には就職促進給付や雇用継続給付、教育訓練給付があります。求職者給付の目的は、再就職までの生活の基盤の安定や雇用の安定性の向上を図ることです。就職活動が不自由なく行えるようにするための費用なので、他の用途で使うことがないようにしましょう。
なお、求職者給付は4つに分類することができます。以下のように、給付の対象者や手当が異なるので、実際に給付の手続きをする際は確かめておいてください。
求職者給付の種類 | 手当の内容 |
一般被保険者に対する求職者給付 | 基本手当
技能習得手当(受講手当、通所手当) 寄宿手当 傷病手当 |
高年齢被保険者に対する求職者給付 | 高年齢求職者給付金 |
短期雇用特例被保険者に対する求職者給付 | 特例一時金 |
日雇労働被保険者に対する求職者給付 | 日雇労働求職者給付金 |
ハローワークでもらえるハンコとは?
求職者給付はハローワークにてハンコをもらわないと受け取ることができません。では、そもそもハンコとは何なのでしょうか。
結論を述べると、ハンコとは求職活動を行なったらもらえる証のようなものです。
見た目は一般的なハンコと同じですが、求職者給付金をもらうにあたって重要なものなので、もらい忘れたり捺印された書類を紛失することがないようにしましょう。
なお、ハローワークが設定している認定日までに一定数のハンコを集めないと、求職者給付は受けられません。
認定日とは?
給付者給付金を受け取るためには、認定日までに一定数のハンコを所持していなければいけません。認定日が訪れる頻度は、4週間に一度です。認定日は、給付者がきちんと求職活動を行なっているかを確かめることを主な目的としています。
また、認定日になったら以下の書類や持ち物を持ってハローワークに行きましょう。
- 失業認定申告書
- 雇用保険受給資格者証
- 印鑑
- 求職活動を証明するもの
受付にて書類を提出することで面談やヒアリングが始まります。現在の生活や求職活動、将来のこと、といったさまざまなことが聞かれるので正直に返答してください。
面談が終わると失業であるか否かが判断され、失業状態と認定されれば振込の手続きに移ります。次回の認定日の案内もされるので聞き逃さないようにしましょう。
失業認定申告書とは
失業認定申告書とは、自分が失業状態であることを認めてもらうための書類です。主に、自分自身が行なった求職活動の実績を記載します。
手に入れるためにはハローワークでもらう、あるいはホームページでダウンロードをしてください
この失業認定申告書は、認定日が来るたびに作成する必要があります。作成し忘れることがないように、認定日の前日までに作成を済ませておくようにしてください。
求職者給付を受けるために必要なハンコの数

求職者給付を受けるためのハンコの数は、退職した理由によって異なります。また、初回認定日とそれ以降の認定日で必要なハンコの数もことなるのでそれぞれご紹介します。
自分自身の都合で退職した場合
自分自身の都合で退職した場合、初回認定日までに1個、2回目(給付制限明け)の認定日までに1個、それ以降の認定日には2個ずつのハンコが必要になります。しかし、給付制限が3ヶ月の方は2回目(給付制限明け)の認定日には2つのハンコが必要になるので注意してください。
また、初回認定日には1つのハンコが必要だと説明しました。しかし、給付を受ける方が必ず参加する雇用保険説明会でもハンコはもらえるので、実質的には初回認定日までに必要なハンコの数は0個ということになります。
注意点としては、2回目(給付制限明け)の認定日を初回認定日と間違えないことです。
自分自身の都合で退職した場合、給付が始まるのは2回目(給付制限明け)の認定日になります。そのため、2回目(給付制限明け)の認定日を初回認定日と勘違いしてしまうケースが多発しています。
初回認定日の存在を忘れていると、給付が遅れたり無効になったりするので注意してください。
会社の都合で退職した場合
会社の都合で退職した場合は、初回認定日までにハンコが1つ必要になります。補足すると、会社の都合での退職に該当するのはリストラや倒産などです。
自分自身の都合で退職した場合とは異なり、給付制限が設けられていないので2回目以降の認定日はそれぞれ2個以上のハンコを取得しておきましょう。
なお、会社の都合で退職した場合も雇用保険説明会への参加が必須です。雇用保険説明会への参加でもハンコはもらえるので、自分自身で退職した場合と同様に初回認定日までのハンコ獲得のために自主的に動く必要はありません。
まとめると、初回認定日に必要なハンコは雇用保険説明会への参加で獲得でき、それ以降の認定日には2個以上のハンコが必要です。
認定日になってもハンコの数が足りない場合は?

認定日になってもハンコの数が足りない場合、求職者給付の給付が先延ばしになります。先延ばしになるだけなので、取り消しになったり減額されたりするわけではありません。次の給付期間に通常通りのハンコの数を取得していれば給付は再開されます。
なお、ハンコが足りない場合でもハローワークへ行くようにしてください。なかには「ハンコが足りない状態でハローワークに行っても意味がない」と思ってしまうかもしれません。
しかし、ハローワークに行かずにいると、以下のようなことが起きてしまいます。
- 次回の認定日が設定されない
- 失業認定申告書がもらえない
ハンコを獲得していないことは悪いことではないので、必要な数のハンコを持っていなくてもハローワークには行くようにしてください。
なお、なんらかの理由でハローワークに行けない場合は、電話でその旨を伝えましょう。ほとんどの場合、次の認定日までにハローワークに行けば通常通りの手続きが行えます。
ハローワークでハンコをもらうための実績の作り方

ハローワークでハンコをもらうためには求職活動をしたという実績が必要になります。しかし、求職活動であればなんでも良いわけではありません。
以下のように、ハンコをもらえる求職活動は決められています。
- 職業相談をする
- 職業訓練の相談を行う
- 求人へ応募する
上記は一例ですが、ハンコをもらうための代表的な方法ですので、ぜひ参考にしてください。
職業相談をする
職業相談をすることで、求職活動をした実績になります。職業相談とは、求職活動について相談員に相談することです。相談する内容は求職活動に関することであれば制限はありません。
何について相談したら良いかわからない方は、以下の内容について相談してください。
- 面接の対策
- 求人紹介
- 悩み相談
なお、相談の時間は決められておらず、5分でも1時間でも大丈夫です。また、相談ができる人は求職者給付のために実績を作っている人だけではありません。ハローワークに通う方であれば誰でも相談に乗ってもらうことができます。
職業相談でハンコを獲得する際は、以下の手順を踏みましょう。
- 受付に行き職業相談をしたい旨を伝える
- 相談の乗ってもらう時間と場所を決定する
- 実際に相談に乗ってもらう
- 相談が終わったら雇用保険受給資格者証にハンコを押してもらう
なお、相談のために予約する必要はないので、職業相談をしたいと思ったならそのままハローワークに行くようにしてください。
職業訓練の相談を行う
職業訓練を受ける前の相談でもハンコをもらうことができます。職業訓練とは、就職やキャリアアップのために必要な知識やスキルを学ぶための訓練です。
職業訓練の種類は2つあり、以下のように対象となる方が異なります。
名称 | 対象者 |
公共職業訓練 | 現在、求職者手当を受けている人 |
求職者支援訓練 | 求職者手当を受け終わった人 |
基本的には無料で受けることができ、幅広い分野や知識の訓練が可能です。どの訓練を受けたら良いのかわからない方は、職業訓練の窓口に尋ねるようにしてください。補足として、職業訓練の窓口で相談をした時点でハンコはもらえるので、実際に訓練を受けるかどうかは自分自身で考える必要があります。
また、職業訓練は相談をしたからといって、誰もが受けられるわけではありません。相談内容に基づき、本当に職業訓練を受けても問題ないかどうかを審査されます。職業訓練を受けても問題ないと認められると、筆記試験と面接を受けなければいけません。筆記試験と面接に合格することで、ようやく職業訓練を受けられるようになります。
このように、職業訓練の相談だけでもハンコをもらうことは可能なので、比較的短時間で済ませられるのが特徴です。しかし、職業相談とは異なり、必要以上に利用すると不自然に思われるので注意してください。
求人へ応募する
ハンコは求人に応募することでももらえます。
求人への応募でハンコをもらうメリットは以下のとおりです。
- 自宅にいながらハンコをもらえる
- 認定日の前日でもハンコがもらえる
- ハローワークまでの移動費がかからない
求人への応募は、ハローワークからでもインターネットからでも問題ありません。失業認定申告書にインターネット応募である旨を記載することでハンコをもらえます。
注意点としては、応募をした企業からの返信を無視したり、面接に行かなかったりすることがないようにすることです。
なお、求人への応募1回につきもらえるハンコの数はハローワークによって異なります。自分が通っているハローワークがどのようなルールを設けているかは、事前に把握しておくようにしてください。
ハンコをもらえる求職活動は限られている

そこで注意しなければいけないのが、自分ではハンコをもらえると思っていても、実際にはもらえなかったケースです。
せっかく求職活動を行ったのにも関わらずハンコがもらえないとなると、少々勿体無いように感じるでしょう。そのため、以下の実績にならない求職活動に目を通して、ハンコがもらえないというトラブルを避けることが重要です。
- 求人の検索だけを行う
- 知人に求人の紹介を依頼する
- 求人サイトへの登録だけを行う
- 求人情報について企業に問い合わせる
- 派遣会社への登録だけを行う
このように、調べたり見たりするだけでは求職活動とは認められません。
また、上記以外にも求職活動とは認められないものも多く存在します。そのため、何かに取り掛かる前は、ハローワークに求職活動として認められるかどうかを確認するようにしてください。
ハローワークでハンコをもらう際のポイント

ハローワークでハンコをもらう際のポイントは以下の2点です。
- 応募した求人の面接を忘れないようにする
- 認定日にハンコをもらう
応募した求人の面接を忘れないようにする
応募した求人の面接を忘れないようにしてください。
ハンコ目的で求人に応募する場合、ハンコをもらって安心してしまい、面接のことを忘れてしまうケースがあります。ハンコをもらったからといって、面接に行かなくても良いわけではありません。
面接のことを忘れてしまったり、無断で欠席したりすると企業の迷惑になってしまいます。どうしても面接に行きたくない、あるいは面接に行けない事情がある場合は、前もってその企業に連絡しておきましょう。
そのため、応募した求人の面接は忘れないようにしてください。
認定日にハンコをもらう
認定日にハンコをもらうことで、ハローワークに行く回数を減らせます。
認定日は失業認定申告書を提出するためにハローワークに行かなければいけません。その際、同時に求職活動を済ませておくことで、本来別日に行うはずだった求職活動をまとめて行うことができます。つまり、ハローワークに行く回数を1回減らせるということです。
しかし、認定日にもらえるハンコは、その日の認定に必要なハンコではなく、次回の認定日に必要なハンコになります。認定日にもらったハンコは、次回の認定日でないと認められないので注意しましょう。
まとめ ハローワークの求職活動でハンコをもらうには?

求職者給付を受け取るにはハローワークでハンコをもらう必要があります。ハンコは、求職活動を行ったことを証明するものです。
このハンコを指定された認定日までに指定された数だけ提出することで、初めて給付金を受け取れます。
注意点としては、ハンコをもらえる求職活動は限られているということです。一生懸命求職活動を行ったがハンコがもらえないということがないように、あらかじめハンコをもらえる求職活動を把握しておきましょう。