今回の記事では、中卒でも正社員採用されやすい仕事や探し方について紹介します。
「中卒は正社員になれない?」
「中卒で正社員の仕事はどこで探せばいいの?」
「自分に合った仕事は何かわからない……」
働き方が多様化する昨今、高校に進学せず中卒で仕事を探そうとする人も少なくありません。
中卒での就職は若いうちから働き始められるメリットがある一方、収入や安定感において不安を感じる人は多いでしょう。
収入が高く安定して長く働ける傾向にある正社員を目指す場合、中卒でも問題ないか、どのように仕事を探せばいいか、どのような仕事がおすすめかについても解説するので最後までお読みください。
中卒は正社員になれない?中卒の正社員率とは?

まず、中卒は正社員になれないのか、正社員率を見てみましょう。
平成30年の「若年者雇用実態調査結果」によると、中卒で正社員として働いている人は全体の約35%となっています。
高卒が約56%、大卒が約81%であることと比べると、中卒で正社員として働くことは不可能ではなくとも簡単ではないと言えるでしょう。
特に中卒が正社員以外で働く場合、フルタイム・短時間どちらも雇用期間の定めがある人が多いという数字も出ています。
つまり、中卒は非正規雇用かつ雇用期間限定の勤務形態が多いため、「中卒は正社員になれない」と考える人が多くなるということです。
しかし、中卒で正社員として働いている人がゼロではないということは、仕事を探せば見つかる可能性もあるとも言えるでしょう。
中卒でも正社員として働ける仕事の探し方や、採用されやすい仕事について把握しておくことが大切です。
中卒でも正社員として採用されやすい仕事の探し方3選

次に、中卒でも正社員として採用されやすい仕事の探し方について3つ紹介します。
ハローワーク
ハローワークは仕事を探す代表的な手段の一つと言えるでしょう。
ハローワークは別名「公共職業安定所」と呼ばれ、就職のセーフティーネットとして職業紹介などを行う機関です。
厚生労働省が運営しているため、信頼度の面から見ても安心です。
ハローワークは無料で利用できる上に求人数も多いため、多くの就職者に利用されています。
フリーターや既婚者、中卒などの肩書きや経歴に関係なく安定した職業に就くことを目指しているため、学歴に自信が無い人でも利用しやすいでしょう。
ハローワークを利用する流れは以下の通りです。
まずは最寄りのハローワークに行き、求人申し込み書を記入します。
この求人申し込み書で希望の就業形態や収入、職業などを記載できるため、正社員希望と伝えておきましょう。
求人申し込み書が受理されたら、求人端末などを利用して就職活動をスタートします。
書類提出や面談を通し、マッチする企業があれば無事内定獲得となります。
求人サイトや転職エージェント
ハローワークに行く時間が無い、一気にたくさんの求人をチェックしたい人は求人サイトや転職エージェントの活用がおすすめです。
求人サイトや転職エージェントはインターネットで検索するとたくさんヒットするので、自分のニーズに合ったものを選びましょう。
学歴や経歴不問に特化したサービスも多々あるため、中卒でも正社員として働ける仕事が見つかる可能性が十分にあるでしょう。
また、求人サイトや転職エージェントは就職活動や転職活動を幅広い面からサポートしてくれるというメリットもあります。
中卒でも正社員になるにはどのように履歴書や職務経歴書を作成すればいいのか、面接で自分の学歴をどのように伝えればいいのかなどの細かいポイントについてもキャリアアドバイザーがアドバイスをくれるはずです。
自力で就活・転職を行う自信が無い人は、ぜひ求人サイトや転職エージェントを活用しましょう。
ホームページや電話で直接企業に問い合わせる
中卒でも正社員で働ける仕事を見つける手段として、ホームページや電話で直接企業に問い合わせるという手段もあります。
上記2つの手段は担当者やキャリアアドバイザーなどの第三者のサポート付きですが、この手段は自分で行わなければならず労力や時間がかかると認識しておきましょう。
また、募集要項をしっかり確認し、中卒の正社員採用を行っているか把握しておきましょう。
募集資格に当てはまっていなければ労力や時間を無駄にするだけでなく、精神的にも疲れてしまうでしょう。
【男女別】中卒で正社員として働きたい人におすすめの仕事3選

ここでは中卒で正社員として働きたい人におすすめの仕事について、男女別に3つずつ紹介します。
【男性】大工
大工とは工事現場などの現場仕事全般を指します。
体力勝負な面に加えて、真夏の暑さや真冬の寒さの中で仕事をする必要もあると認識しておきましょう。
過酷な仕事である分、未経験OKや学歴不問の求人も多いと言えます。
また、正社員になるには体力だけでなく様々な資格も必要になる可能性もあります。
さらに他の業種や職種と比べても事故の危険性も高いでしょう。
命に関わるケースもあるため、仕事内容をしっかり把握した上で応募するようにしましょう。
【男性】工場仕事
工場仕事と一言で言っても、業務内容は様々です。
日雇いや単発でできる軽作業などのイメージが強いかもしれませんが、工場全体をまとめるには正社員も必要です。
最初はバイトやパートなどで入社しても、経験やスキルを重ねていくうちに中卒でも正社員になれる可能性もあります。
また、木材や金属を加工する技術やフォークリフトの運転技術など特殊スキルを身に付ければ、収入アップも図れるでしょう。
工場で正社員としてスキルを伸ばした後独立する人もおり、将来的に事業規模や収入をアップさせたい人にもおすすめです。
【男性】飲食店
飲食店は求人数が多い、バイトやパートから正社員になれる可能性がある、学歴不問などのメリットがあります。
店舗数が多く職場を選びやすい傾向にあるため、店の雰囲気や通いやすさなどから考慮することをおすすめします。
また、職場によっては住み込み仕事として求人を出しているケースもあります。
飲食店の住み込み仕事は通勤時間がかからず、家賃や光熱費、食費などを節約しながら稼げるためお金を貯めたい人はぜひチェックしてみてください。
飲食店は男女関係なく応募しやすいですが、体力や腕力を求められるケースもあるという点では男性の方がおすすめです。
お客さんの出入りによって残業時間が左右される面もあるため、不規則な生活に抵抗がある人は飲食店の仕事はやめておいた方が無難でしょう。
【女性】保育士
共働き夫婦が増えたことなどから保育士は需要の高い仕事となっており、特に女性の人気が高いです。
保育士は無資格でも就職可能ですが、資格が無ければ業務の全てを行えません。
正社員として働くには、保育士の資格は必要不可欠と言えるでしょう。
保育士は年齢に関係なく資格を取得できる仕事です。
資格勉強は通信講座でもできるため、現職と並行して学習できます。
また、保育士は子供たちの命を直接預かる責任重大な仕事なため、精神的にも身体的にもタフでなければなりません。
子供だけでなく保育園の同僚や園長、保護者たちとの人間関係にも気を配らなければならず、コミュニケーション範囲も非常に広いでしょう。
しかし保育士は仕事がハードである割には収入が安い傾向があるため、体力に自信が無い、プライベートを大切にしたい、一気に収入を上げたい人にはあまりおすすめしません。
【女性】看護士
看護士は専門学校や大学を卒業してそのまま新卒採用で就職するケースも多いですが、資格さえあれば中途採用で正社員として入社することも可能です。
現在は別の仕事をしていても、空いた時間で看護士になるための資格勉強をすればジョブチェンジできる可能性は十分にあります。
看護士は多くの人たちの命を預かる責任重大な仕事のため、その分高収入も期待できます。
基本的には体力的にも精神的にもハードな仕事になりますが、直接患者さんに治療することに抵抗がある人は、クリニックの事務などを検討してみてください。
【女性】接客業
接客業はアパレルやホテルなど様々な業界でニーズがあります。
学歴よりもお客さんとのコミュニケーション力や扱う製品の知識などが求められるため、中卒でも入社後の知識やスキルによっては正社員として十分働ける可能性があります。
業界によっては自社製品を買わなければならない場合もあるため注意してください。
【目的別】中卒で正社員として働きたい人におすすめの仕事の特徴3選

ここでは中卒で正社員として働きたい人におすすめの仕事の特徴について、目的別に3つずつ紹介します。
収入アップ
収入アップの面から見ると、以下のような仕事がおすすめです。
営業職
営業職は会社の規模や扱う製品によって、業務内容や求める人物は様々です。
大手企業の営業職は大卒限定など制限が設けられている可能性もありますが、ベンチャーなどは学歴不問で正社員を募集している場合もあります。
営業職は成績によって一気に収入アップを図ることも不可能ではありません。
例えば保険外交員は大きな契約を1件取るだけで何万円、何十万円もインセンティブが入るケースも少なくありません。
コミュニケーション力や商談スキルに自信がある人は、ぜひ営業職をチェックしてみてください。
ITエンジニア
ITエンジニアは専門学校や大学を卒業している人だけでなく、未経験や中卒の人も採用されるケースは少なくありません。
IT業界は人手不足が深刻で、学歴不問の求人も増えています。
最初は業務をしながら知識やスキルを身に付けていくため思うように仕事ができない上に、高収入が得られる可能性も低いでしょう。
しかし、経験を積んでいくほどどんどん収入をアップさせやすい特徴もあります。
将来的には正社員からフリーランスとなり、月収100万円超えという道のりも十分にあり得ます。
採用されやすさ
採用されやすさの面から見ると、以下のような仕事がおすすめです。
公務員
公務員は学歴不問で、試験に合格すれば採用される可能性が高い仕事です。
規定の年齢を超えていれば誰でも受験資格があるため、中卒がネックになることはありません。
しかし、試験に合格するための勉強は必須なので、勉強が苦手な人には不向きかもしれません。
また、中途採用は定期的に行っているわけではなく必要に応じて募集するという形のため、試験時期についてもしっかり確認しておきましょう。
飲食店
飲食店は人手不足の傾向が高い業界です。
特にコロナ禍となってからは退職者が増え、その空いた枠を埋めてくれる人材を探している店舗も少なくありません。
学歴不問ですぐに採用される可能性も高く、一定期間勤めれば中卒でも店長や正社員になれる可能性も十分にあります。
飲食店は体力を必要とする上に不規則な生活になりがちなので、体力に自信がある人におすすめです。
また、正社員になれば他のバイトやパートのシフトや人事を任される可能性が高いため、店舗全体を考えられるスキルも必要となるでしょう。
未経験OK
未経験OKの面から見ると、以下のような仕事がおすすめです。
介護職
少子高齢化が進み、深刻な人手不足に悩んでいる介護の企業も少なくありません。
介護職は学歴不問の場合が多く、中卒でも資格を持っていれば即正社員採用される可能性もあります。
資格が無くても働きながら勉強できる場合もあるため、興味がある人はぜひチャレンジしてください。
ただし、介護職は知識だけでなく多くの体力を必要とするハードな仕事です。
体力に自信が無い人には不向きかもしれません。
ドライバー
ドライバーは配送業やタクシー業以外にも、介護の送迎や秘書業務など様々なシーンで必要とされる仕事です。
ドライバーは需要が高いため、中卒でも運転免許証があれば正社員として採用される可能性も十分にあるでしょう。
最初は普通免許証しか持っていなくても、会社の費用負担で大型車の免許をとらせてもらえる場合もあります。
また、ドライバーは福利厚生が整っている場合も多く、未経験で採用されやすいことに加えて収入アップも図れます。
まとめ
今回の記事では、中卒の正社員採用について解説しました。
中卒は正社員になれる仕事が無いとイメージする人もいるかもしれませんが、職種や探し方によっては十分見つけられるはずです。
自力で見つけるのが難しい人は、ハローワークや求人サイト、転職エージェントを活用しましょう。
人手不足の業界や入社してからスキルアップしていく業界は学歴不問の傾向が高いため、自分のニーズに合った求人が無いか探してみてください。