世間では高卒の年収が低いと言われていますが、工場勤務した場合にはどうなのでしょうか?
工場勤務ではもともとの時給が高い仕事が多いうえに待遇や手当でさらにお金を稼げる求人が多くあります。なので、良い条件で働くことで高卒でも平均年収を大きく上げることができるのではないでしょうか?
本記事では高卒・工場勤務の平均年収と工場勤務でさらに稼ぐにはどうすればいいのかを解説しています。
高卒が工場勤務で稼げる年収

高卒は年収が低いなどと言われていますが、実際にはどうなのでしょうか?
ここからは高卒の年収について紹介していきますが、働いている業種や、企業の規模、勤務形態などで大きく左右されます。自分の働く場所によって年収は高くも低くもなりますのであくまでも参考に見てみてください。
工場勤務の平均年収と高卒の平均年収
最初に工場勤務の平均年収を見てみましょう。
厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、製造業の平均年収は294.9万円となっており、16業種中11番目の平均年収という結果でした。ただし、工場勤務では人によっては深夜給で人よりも多く稼いでいる方や、格安寮に住み込みながら働くことで出費を減らすなどの工夫をしている人もいます。工場内の仕事も多岐にわたりますし待遇も様々なので、条件を組み合わせることで平均年収の294.9万円を大きく超えることも可能です。
次に高卒の平均年収です。
結論として、高卒の平均年収は他の学歴と比べて低くなっていましたが、専門学校卒・高専・短大卒とは大きな差はありませんでした。以下が学歴と平均年収の表です。
学歴 | 平均年収 |
高校卒 | 271.5万円 |
専門学校卒 | 288.4万円 |
高専・短大卒 | 289.2万円 |
大学卒 | 359.5万円 |
大学院卒 | 454.1万円 |
こちらも先ほどの令和3年賃金構造基本統計調査によると、高卒の平均年収は271.5万円となっています。大学卒や大学院卒以上の平均年収と比べると差は大きいと言えそうですが、他の専門学校卒や高専・短大卒と比べると平均年収の差は少ないように感じますね。
雇用形態の年収比較
雇用形態には、正社員・派遣・アルバイトなどがありますが、平均年収で見ると正社員とそれ以外で年収にも大きな違いがあります。
令和3年賃金構造基本統計調査では、正社員の平均年収は323.4万円、正社員以外の平均年収は216.7万円となっており、約100万円の差が開いていました。正社員かそれ以外かという大まかな分け方ではありますが、正社員になった方が平均年収が高いということがわかります。
工場勤務の中でも稼ぎやすい仕事

工場勤務とは言っても色々な仕事が存在しています。一つの工場の中でも加工・組立・検査・マシンオペレータなど、複数の工程で一つの製品を製造している場合もあります。今回はその中でも稼ぎやすい仕事を紹介していきますので、工場の仕事選びの参考にしてみてください。
期間工
期間工とは一定期間のみ雇用される労働者のことで期間従業員とも言います。
雇用形態としては契約社員に当てはまり、最長2年11カ月しか同じ職場で勤務できないという特徴があります。
しかし給与はかなり高くなっており、大手自動車メーカーの期間工では1年目で年収400万円以上になることも珍しくありません。
また入社祝い金や契約が終了した際には満了金が受け取れることもあり、満了金は最長の2年11カ月勤めた場合には300万円以上になることもあるなど期間工ならではの特典があります。
フォークリフトの操縦
フォークリフトの操縦をする仕事は時給が高いことが多いです。また、フォークリフトは工場勤務に限らず活躍できる場面が多いので、違う業種にフォークリフト操縦者として転職することも出来ます。
フォークリフトの操縦には運転免許は必要ですが、フォークリフトの免許の試験の合格率は90%以上といわれており、しっかり講習を受けて試験を受けることが出来ればほとんどの方が合格できます。
講習の時間は免許の有無や現場経験の有無によって変わってきますが、最短2日・最長5日で取得できます。金額も講習の時間によって2万円~4万円前後となっているので、これから稼ぎたいという方はこれを機にフォークリフト免許の取得するのもおすすめです。
夜勤の仕事
夜勤の仕事は基本給+25%の給料がもらえるため効率的にお金を稼ぎたい方にお勧めです。夜勤の仕事はきついと言われることが多く、実際に長期間働いていると体調に支障をきたすなどデメリットもあります。
しかし、普段の行動が夜型の人や自分の体調管理をしっかりできる人など、夜勤をするのに向いている人もいるので一気に稼ぎたいという方は一度夜勤にもチャレンジしてみてもいいかもしれません。夜勤は昼間が休みの時間になるのでその時間に役所に行ったり買い物をしたりできるメリットもあります。
ただし、夜勤があるような場合には体調が整うようにしっかり対策をしてから夜勤をするようにしてください。
高卒で工場勤務をするメリット

ここまで高卒の平均年収や工場勤務で稼げる仕事を紹介してきましたが、それでも高卒で工場勤務をするメリットはあるのでしょうか。
ここでは他の仕事にではなくなぜ工場勤務が高卒におすすめなのかを解説していきます。
寮費0円の仕事がある
ここまで紹介してきた仕事にも当てはまりますが、工場勤務の仕事には寮付き求人が多くあります。寮付き求人とは会社が所有しているか、借りている物件に住み込みながら仕事ができる求人です。
寮付き求人の中には寮費が無料になっている求人も多くあり、家賃にかかる費用をそのまま貯金に回せるので効率よくお金を稼ぎたい方にはおすすめです。
また、会社が寮を用意してくれているので初期費用が無料になっており、場所によっては水道光熱費が無料になっていたり家具家電が無料になっている場合もあります。
このように平均年収が低いと言われていても、出費を減らすことによって使えるお金を増やすことも出来ます。
多くの場合では就業の際の移動交通費も全額支給になっているので、実家から出て働く際などに無駄なお金をかけたくないという方にもおすすめです。
手当てで給料が増える
工場勤務はもともと給与が高い仕事が多いですが、手当によって給与を増やす事が出来るでしょう。
代表的なものでは以下のような手当があります。
- 深夜手当
- 残業手当
- 資格手当
会社によっては他にも手当を用意しているところもありますが、先ほど挙げた手当てで稼ぐことを前提にしている方もいるくらいに大きい要素になります。
深夜手当を稼ぐ目的で夜勤をしたい方には、先ほど挙げた寮費0円の仕事と組み合わせて仕事を探すのがおすすめです。
理由として寮費無料の寮は会社の近くにあることがあり、夜勤で疲れた状態でもすぐに寮に帰って体を休めることができるからです。寮が遠い場合でも送迎バスが出ていることがあるので夜勤でも安心して働く事ができます。
スキルが無くても入れる
「高校を卒業したばかりでなんの仕事をしたこともない・・・」という方や、「資格や学歴がないから時給の低いアルバイトをするしかない・・・」という方にも工場勤務がおすすめです。
ここまで説明したように、高卒での工場勤務は期間工・寮付き求人・深夜手当などの条件を組み合わせることによって効率的に稼げることを説明しました。工場勤務のもうひとつの特徴として、未経験・無資格でもできる仕事が圧倒的に多いことが挙げられます。
もちろん先ほど挙げたフォークリフトのように資格が必要な仕事もありますが、工場での大半の仕事は大人数での単純作業が中心です。
加えて、工場の仕事は作業を単純にすることによって大量生産を可能にしているので、集中力をもって作業が出来れば経験やスキルは関係ありません。工場が常に人を募集しているのはそれだけ需要があるということなので、気に入った工場求人があれば積極的に応募していきましょう。
高卒で工場勤務をするデメリット

ここまで解説してきた工場勤務はいいことばかりのように思えたかもしれませんが、そんな工場勤務にもデメリットはあります。
それは単純作業によってスキルが上がらなかったり、ずっと同じ動作をするためにつかれてしまうことです。ここではそれらのデメリットについてもしっかり解説していくので、
デメリットも踏まえて工場で働くかどうかを考えてみてください。
工場勤務以外のスキルが上がりにくい
工場勤務では基本的に同じ作業を繰り返していきます。
同じ作業ばかりなので仕事を早く覚えて活躍出来たり、慣れてくると作業が楽に感じたりするのですが、今後その作業をずっとしていく可能性が高いです。将来も同じ作業をしたいということであれば工場勤務への適性は高いですが、そうでない場合にはスキルが上がっていかないというデメリットになります。
デメリットとしても数えられる反面、その道のプロフェッショナルを目指したいという方や、役職を上げて給料を上げたいという方には向いているかもしれませんね。
体力を消耗する
工場勤務は基本的に立ち仕事なので、普段から立ち仕事に慣れていない人にとってはかなり体力を消耗してしまいます。初めて工場勤務をするという方は足が慣れるまでは辛いかもしれません。
また、勤務形態によっては夜勤を含む場合にも体力を大きく消耗します。特に夜勤を含む交替勤務の場合には体内時計にずれることによって調子が悪くなってしまうことがあります。
なので、夜勤に慣れている人は体調を崩さないように対策をしている方が多いです。何の対策も取らずに夜勤を続けていると睡眠障害になったり、自律神経の乱れによってイライラしやすくなったりなど、勤務中の怪我や事故につながるようなことになりかねませんので注意が必要です。
工場勤務に向いている人

ここまでメリットやデメリットなどを解説していきましたが、結局どんな人が工場に向いているのでしょうか?
ここからは工場勤務が向いている人について解説していきます。一つでも当てはまったら一度工場勤務にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
一気に稼ぎたい人
工場の仕事は未経験で始められる他の業種に比べても給与が高くなりやすいうえに、待遇や手当の面でも好条件のものが多いです。そのため短期間で効率的に稼ぐことが可能です。
期間工などの年収が高くなりやすい仕事を、住み込みですることによってかなりの節約にもなります。このように働き方や待遇を工夫することによって一気に稼ぐことも可能です。
また、寮付き求人であれば家と仕事を両方見つけられるので、現在お金がない方や借金などを早く返したいという方にも向いています。
体力があって夜勤に出勤できる人
夜勤をすると基本給+25%の給料をもらうことができるので、夜勤をする体力がある方にはおすすめです。夜勤をするような体力がないかもしれないという方でも、生活リズムを夜勤に合わせて整えることで、比較的楽に勤務することが可能です。体力のある若いうちは夜勤を中心に仕事をするという方もいるので、一度夜勤に挑戦してみるのもいいかもしれませんね。
単純作業を黙々とこなせる人
工場は多くの作業があり、それぞれ作業を分担しています。そのためひとつひとつの工程は単純作業になりがちです。この単純作業でも集中力をもって黙々とこなせる人が工場勤務に向いています。
工程によっては他の方と話す余裕があるところもありますが、基本的には皆さん集中力をもって作業している方が多いです。注意がそれてしまうと思わぬ事故に繋がったり、眠気に誘われることもあるので、黙々と作業ができる方が工場勤務には向いています。
まとめ
今回は、高卒が工場で勤務した時の年収や、どうすれば稼げるかについて解説していきました。
高卒の年収は世間で言われているように低い傾向はありましたが、大きな差はありませんでした。さらに、工場勤務の平均年収は高卒の平均年収を超えていましたね。
工場勤務の中でも仕事内容や待遇を選ぶことによって年収自体を上げたり、寮付きの求人で出費を減らすことによって使えるお金を増やすことができるとわかっていただけたと思います。
このように、年収が低いと言われる高卒でも自分の働き方によって年収を高めることができます。今回の記事を読んで工場勤務で働く際の参考にしていただけたら嬉しいです。